「父が亡くなったあと、自動車税の通知が届いた。これは誰が払えばいいの?」
相続が発生すると、故人名義の車にかかる自動車税の扱いに戸惑う方は少なくありません。
結論からお伝えすると、自動車税の支払い義務は相続人に引き継がれます。
届出をしないまま放置すると延滞金が発生し、最悪の場合は差押えに至ることもあります。
この記事では、相続した車の自動車税は誰が払うのか、届出の方法、滞納した場合のリスクまでわかりやすく解説します。
相続した車の自動車税は、相続人が支払う
自動車税は、毎年4月1日時点の車の名義人(所有者)に対して課税されます。
名義人が亡くなった場合、その車は相続財産となり、相続人が納税義務を引き継ぐことになります。これは、名義変更をしていなくても同じです。
つまり、「まだ名義を変えていないから自分には関係ない」とはならず、相続が発生した時点で支払い義務が移るということです。
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で車を取得する人が決まるまで、相続人全員が連帯して納税義務を負います。
自動車税の基本を押さえておこう
まずは自動車税の仕組みを簡単に整理しておきましょう。
課税のタイミング
自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点で車を所有している人に対して、1年分がまとめて課税されます。納付書は通常5月上旬に届き、5月末が納付期限です。
税額の目安
税額は車の排気量によって異なります。一般的な乗用車の場合、年間で約29,500円〜111,000円程度です。軽自動車の場合は軽自動車税(種別割)となり、年額10,800円が標準です。
名義人が亡くなっても課税は止まらない
名義人が亡くなったからといって、自動的に課税が止まるわけではありません。廃車手続き(抹消登録)や名義変更をしない限り、翌年以降も課税され続けます。
相続後の自動車税に関する届出方法
故人名義の車を相続した場合、税事務所への届出が必要です。届出をしないと、故人宛てに納付書が届き続けることになります。
届出先
届出先は、車の定置場(ナンバープレートの管轄)を管轄する都道府県税事務所です。軽自動車の場合は市区町村の税務課になります。
届出に必要なもの
- 自動車税申告書(税事務所の窓口またはWebサイトで入手可能)
- 被相続人(故人)の死亡が確認できる書類(戸籍謄本など)
- 相続人の本人確認書類
- 車検証のコピー
届出の内容は主に「納税義務者の変更届」です。これにより、翌年度以降の納付書が相続人宛てに届くようになります。
名義変更(移転登録)との違い
税事務所への届出は、あくまで「税金の送り先を変える手続き」です。車の所有者を正式に変更するには、運輸支局での移転登録(名義変更)が別途必要になります。
名義変更が完了すれば、税の届出も自動的に反映されるため、可能であれば名義変更を先に済ませるのがスムーズです。
自動車税を滞納するとどうなる?
「相続の手続きが忙しくて、自動車税まで手が回らなかった」というケースは珍しくありません。
しかし、滞納が長引くと以下のようなリスクがあります。
延滞金が発生する
納付期限を過ぎると、延滞金が加算されます。延滞金の利率は納期限の翌日から1か月間は年2.4%程度、それ以降は年8.7%程度です(利率は年度により変動します)。
督促状・催告書が届く
滞納が続くと、税事務所から督促状が届きます。それでも納付しない場合は催告書が送られ、最終的には法的措置に進む可能性があります。
財産の差押えに至ることも
長期間にわたって滞納を続けると、預金口座や給与の差押えが行われることがあります。これは相続人の財産に対して執行されるため、故人の問題では済まなくなります。
車検が通らなくなる
自動車税が未納の状態では、車検を受けることができません。車検が切れた車で公道を走ると違法になるため、車の利用にも支障が出ます。
車を手放せば、自動車税の負担もなくなる
相続した車を今後使う予定がない場合、売却や廃車にすることで翌年度以降の自動車税はかからなくなります。
とくに「乗る予定がないのに税金だけ払い続けている」という方は、早めに方針を決めることで無駄な出費を防げます。
ただし、売却や廃車の前に名義変更が必要なケースもあり、手続きの順番を間違えると二度手間になることがあります。
「税金の通知が届いたけど、車をどうするかまだ決めていない」「名義変更と売却、どちらを先にすればいい?」など、迷うことがあれば、まずは状況を整理するところから始めてみてください。
相続した車の自動車税や手続きについて相談する →よくある質問
故人宛ての自動車税の納付書が届いたら、そのまま払っていい?
はい、そのまま納付できます。故人名義の納付書でも、金融機関やコンビニで支払うことが可能です。ただし、翌年度以降も故人宛てに届き続けるのを避けるため、税事務所への届出を済ませておくことをおすすめします。
相続人が複数いる場合、自動車税は誰が払う?
遺産分割協議で車を取得する相続人が決まるまでは、相続人全員が連帯して納税義務を負います。実務的には、代表相続人が立て替えて支払い、あとから精算するケースが一般的です。
相続放棄をした場合、自動車税は払わなくていい?
家庭裁判所で正式に相続放棄の手続きが完了していれば、自動車税の納税義務も負いません。ただし、相続放棄は「車だけ放棄する」ということはできず、すべての相続財産を放棄することになります。
年度の途中で車を売却・廃車にした場合、税金は戻ってくる?
普通車の場合、抹消登録(廃車手続き)をした翌月以降の月割り分が還付されます。ただし、軽自動車には月割りの還付制度がないため、年度途中で廃車にしても税金は戻りません。売却の場合は、買取業者との間で精算されるのが一般的です。
まとめ
相続した車の自動車税について、ポイントを整理します。
- 自動車税の納税義務は相続人に引き継がれる
- 毎年4月1日時点の名義人に課税される。名義変更しなくても義務は発生する
- 税事務所への届出で、納付書の送付先を変更できる
- 滞納すると延滞金・督促・差押えのリスクがある
- 車を手放せば、翌年度以降の自動車税はかからなくなる
自動車税の対応は、相続手続き全体のなかでは比較的シンプルな部分です。
ただ、「車自体をどうするか」が決まらないと、税金の問題もずるずると先送りになりがちです。
車の処分や名義変更の進め方でお悩みであれば、まずは状況をお聞かせください。
相続した車のこと、
一人で抱え込まなくて大丈夫です
「まだ何も決まっていない」「書類が足りない」という段階でもご相談いただけます。
まずは今の状況をお聞かせください。一緒に整理するところから始めましょう。
※ 相談は無料です。売却を決めていない段階でもお気軽にどうぞ。


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